「政府の大きさ」って何と関係があるの?

 日本の政府は、財政の大きさや働く人に占める公務員の割合でみると、決して大きな政府とは言えません。ただ、政府の大きさはそんなに大切な問題なの?と皆さんは思うかもしれません。そもそも政府が大きいか、小さいかということと私たちの生活にはどんな関係があるのでしょうか。

大きい政府、小さい政府って?

 「財政って何だ?」で取り上げたように、財政は私たちが生活していくうえで、だれもが必要とするものを提供することを目的としています。ですから、この大きさが小さければ、お金や暮らしにかかわる様々な問題を自分自身で解決しなければいけなくなります。たとえば、政府が小さければ、貧しい人の命を支える生活保護が削られてしまうかもしれません。そうすれば、貧しい人は困ってしまいますね。でも、困るのは貧しい人たちとは限りません。年を取ると多くの人が受けることとなる介護、子育てをする人たちにとって欠かすことのできない幼稚園や保育所、障害のある人への福祉、生活の足となる公共交通機関など、さまざまなサービスをみんなが必要だと思っても、自分自身の力で何とかしなければいけないことになるかもしれません。では、政府が大きければ、どうでしょうか。政府は豊かなサービスを提供するでしょう。ですから、貧しい人、病弱な人、障がいがある人やお年寄りなど様々な人が安心して生きていけるようになるでしょう。しかし、いいことばかりではありません。大きな政府を動かすには財源がなければいけません。財源の中心は税金です。大きな政府とは、皆さんがせっかく働いて手にしたお金のうち、一定の割合を税として取り上げる政府を意味します。自分で働いて、ようやく手にした財産を自由に使うそんな皆さんの自由が妨げられてしまうかもしれません。また、そのお金は自分よりも困っている人たちのために使われるかもしれません。そうなれば、自分で生きていける人たちが「負担者」となる一方で、貧しい人や、困っている人たちは、負担が軽く、もらえるものも多い「受益者」となります

 このように、政府の望ましい大きさを決めるのはとても難しいことです。小さすぎる政府は困っている人に冷たい社会を生み出します。それは、もしけがや病気をして働けなくなれば、たちまちに生活が行き詰ってしまう厳しい社会です。しかし大きい政府では、自分のお金や財産を自由に使うことが制限され、困っている人たちのために負担を負うことに対してどう思うかこれもまた難しい問題です。

政府の大きさを決める「予算」

 人間は「良いこと」を大切にして生きています。でも結局何が「良いこと」なのかは立場によって様々です。そして、その様々な価値観がぶつかり合い、議論をし、数字で表したのが「予算」です。

 予算は毎年度、内閣が原案を作り国会が審議、議決をして出来上がります。予算を作る過程では、政治家や彼らを応援する団体を巻き込んで、財源の配分を考えます。また、その年の経済状況、所得の具合によって、困っている人への救済の程度も変わってきます。もし、政治家が人々の声に耳を傾けなければ、皆さんの希望は予算に盛り込まれないでしょうし、それは政府への不信感を生むでしょう。

結局、何に影響するの?

 国の経済の状態や、政治の仕組み、困っている人たちに対する倫理観や道徳心といった社会の価値観さえも詰め込まれる財政、そして、予算。だからこそ、私たちが、なぜ、どのように小さな政府、大きな政府を作ってきたのか、その歴史を丁寧に追跡しておくことは、今生きている社会の性格を知るうえでとても大切なことなのです。

harukata

「大学では何をするんだろう?」「実際の授業はどんなの?」と思っている方のために大学の授業内容や、現役大学生に向けて、知っておくべき社会の問題などを主に紹介しています!将来に少しでも不安を感じている方の力になれれば幸いです。

シェアする