「ジェンダー論」のすすめ!

 最近、日本の中でLGBTといった言葉を町やニュースなんかで見かけますよね。ということで、今回はジェンダーについて掘り下げてみたいと思います。

「ジェンダー」という言葉について

日本では今、「性」という言葉のほかに「ジェンダー」という言葉が独立して使われています。これは日本語に「ジェンダー」に対応する言葉が存在していないからです。(1990年ほどまでは「ジェンダー」を「社会的性別」といったように訳していましたが、今では見直されています。)

学ぶ前に・・・

 これからジェンダーについて学ぶ前に、私たちは「人権」について知っておく必要があります。あれ?セクシュアリティについて学ぶのに「人権」を知る必要があるの?と思うかもしれませんが、この過程はとても重要な意味をもつんです。

ジェンダーの前に人権を知ろう!

 もし「人権って何?」と聞かれたら、皆さんは何と答えますか?一文でもよいので簡単に少し考えてみてください。

 学生に聞いてみたところ、「人が人として生きる権利」「侵されてはならないもの」「生きている人全員に与えられる権利」といった回答が多かったです。 

 そのほかにも、生活、経済的なもの、価値観を保証するもの。といった具体的な意見もありました。「守るべきもの」といった意見もあると思います。

 では、この権利が侵されてしまったとき、どこに責任が行くのでしょうか。

 国連人権高等弁務官事務所は次のように紹介しています。

「生まれてきた人間すべてに対して、その人が能力を発揮できるように、政府はそれを助ける義務がある。その助けを要求する権利が人権。人権は誰にでもある。」

つまり並べてみると、人権とは

  • 生まれてきた人すべてに対するもの。
  • 政府が保証するもの。
  • その助けを要求する権利

ということになります。

 私が注目したいのは二番目にある、「政府が保証するもの」という点です。この点を先の質問に対して答えていた人はおそらく少ないと思います。

 実は世の中には「守ろう人権!」といった言葉に表れているように、政府が負うべき義務であるという認識があいまいにされているという特徴があります。

もちろん、人に対して優しく、誠実な態度を取ろうといった姿勢は人間関係を築いて、社会で生活するうえではとても大切なことです。しかし、これはあくまで「道徳」の範疇であり、「人権」とは異なるものであることを知っていただきたいです。

 「人権」を求める声はわがままなのではないか、といった声も上がっているのは事実ですが、「人権」とはもともとそういったものなのです。

人権とジェンダーの関わり

 さて、人権についてわかっていただけたところで、これがどのようにつながるのかを紹介します。

 まず、先に話したように、人権は生まれてきた人すべてが持っているものです。これは、属性や特徴によって制限されないことを指します。つまり、生まれながらにして、「性」という属性に制限されないということになります。ここがジェンダー論を学ぶ前に人権を知っておくべきだという最大のポイントです。

ジェンダー論とは

 人権とジェンダーの関わりについて学んだところで、では、ジェンダーとは何なのかという話に移りましょう。

 ジェンダーとは簡単に言ってしまえば、「社会的な規範」を示唆しています。これだけではあまりよくわからないので、詳しく見てみましょう。

 例えば、福山雅治さんの「家族になろうよ」という曲を例に見てみましょう。

家族になろうよ

作曲︰福山雅治
作詞︰福山雅治

「100年経っても好きでいてね」
みんなの前で困らせたり
それでも隣で笑ってくれて
選んでくれてありがとう

どれほど深く信じ合っても
わからないこともあるでしょう
その孤独と寄り添い生きることが
「愛する」ということかもしれないから

いつかお父さんみたいに大きな背中で
いつかお母さんみたいに静かな優しさで
どんなことも越えてゆける
家族になろうよ

小さな頃は身体が弱くて
すぐに泣いて甘えてたの
いつも自分のことばかり精一杯で
親孝行なんて出来てないけど

明日のわたしは
それほど変われないとしても
一歩ずつ 与えられる人から
与える人へかわってゆけたなら

いつかおじいちゃんみたいに無口な強さで
いつかおばあちゃんみたいに可愛い笑顔で
あなたとなら生きてゆける そんなふたりになろうよ

いつかあなたの笑顔によく似た男の子と
いつかわたしとおなじ泣き虫な女の子と
どんなことも越えてゆける
家族になろうよ

あなたとなら生きてゆける
しあわせになろうよ

 この曲は2011年にヒットし、結婚情報誌の『ゼクシィ』のCMソングにも使われていました。

 皆さんはこの歌詞を見て、気づいたことはないでしょうか。あくまで、ジェンダーに関して、という点で考えてみてください。

 まずいえるのは、「お父さん」「おじいちゃん」「男の子」=「大きな背中」「強い」「無口」、「お母さん」「おばあちゃん」「女の子」=「優しい」「静か」「泣く」「弱い」といった男性、女性のステレオタイプがみられることです。また、男性、女性がついになって家族になる、というものも見られます。ほかにも、「子供を産み、一生添い遂げるというのが家族」というのが前提となっています。

 この曲の歌詞をどうこう言うわけではありません。注目したいのは、この曲が日本でヒットしたということです。

 どういうことかといいますと、この曲が売れているというのは、このような家族の形が、社会で受け入れられている規範となっているということを表しています。

 あくまで、ヘテロセクシュアル(異性愛者)にむけたものであって、ホモセクシュアルやレズビアンの方の結婚式で歌っても、どうしようもないのです。また、子供が生めない方にとっても同様です。

 ヒットしたという現象は、それだけ社会が受け入れているということを指します。

 ここで、ジェンダーとは、という視点に振り返ってみましょう。ジェンダーとは「社会的な規範」です。ここにおいては、ヘテロセクシュアルがそういった位置づけとなっています。

まとめ

 ジェンダー論では、その社会的な規範に対して、国がどこまでの選択を与えているのかを深く学んでいく学問です。あくまで、大学は政府の政策に対して、疑問を呈するべきであるという精神にのっとって、ジェンダーという視点で、学んでいくことができます。興味をもったら、ぜひ深く学んでみてくださいね。

harukata

「大学では何をするんだろう?」「実際の授業はどんなの?」と思っている方のために大学の授業内容や、現役大学生に向けて、知っておくべき社会の問題などを主に紹介しています!将来に少しでも不安を感じている方の力になれれば幸いです。

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